はさみ

長女ははさみを持っている。それは今年の正月に某ファミレスで貰った、紙しか切れないという代物で、そのほうが安全だし私もそれで遊ぶ長女に納得していた。けれど、やはり紙しか切れないってことで切れ味がもの凄く悪く、そもそもファミレスのおまけなので質も良いわけがなく、紙を切るのにも長女はもの凄く苦労しておりやはり本物のはさみを与えたほうが良いのかなあ、などと思いつつ日々のどさくさで忘れていたのだが、さきほど私が紙に書いた人形をはさみで切り、長女に与えたところ、長女は自分も人形を書いて切り取る行為をしたかったらしくさっと大人用はさみを取って使い出した。最初は驚いてかなりびくびくしながら様子を見ていたが、なんのなんのもの凄く上手にはさみを操っているのだ。これには驚いた。大人用なのではさみ自体も割りと大きいのだけれど上手に扱う長女の手先の器用さが頼もしかった。それもすごかったけどもっと驚いたのがはさみを切るときの長女の集中力だ。いつもなら空腹を訴え始める11時前だったが、15分間くらいとても真剣な顔をして、一生懸命紙を小さく小さく切り刻んでいて、「できた!」の声とともに食事の支度をしていた私のところにその様子を報告しにきてくれた。私もそんな長女に声をかけるのがはばかられたので、昼ごはんの支度をしながらそっと見守っていた。今日は最近いらいらしていた私の心に、娘の成長がしみじみと心にしみたのである。反省。