しあわせはそこらへんにころがっている

24日の金曜日、午前中は曇っていて寒かったが、午後からだんだん晴れてきて気温も上がってきた。夕方になって、長女と次女と散歩に行った。よくあるパターンだ。最近は、次女をベビーカーに乗せて長女は歩き、にしているけれどこの日も同じ。田んぼの側道に入ると長女は私の手を離し、勢いよく走り出す。この日は日差しは暖かいが風が冷たくて、なんともいえず気持ちよい夕方だった。次女は気持ちよいのかさっそくうとうとし始める。長女と私は田んぼの稲をみたり道路にアリを観察したり、川に石を投げたり、小石を拾ったりしてのんびり歩いていた。ふと急に長女が「休憩!」といって道路にぺたんと座り込む。「かあかもここにすわって」というのでちょっとためらいつつ横に座る。座ると私の目線の前にはちょうど一面の田んぼが広がっていた。稲は黄金色に輝き風に揺らいでいる。空は青く高く、ところどころに灰色がかった白い雲が浮かび、遠くには石鎚をふくむ山々が見える。聞こえるのは風にゆれる稲穂の音と遠くの車の音。次女はベビーカーですっかり寝入ってしまった。なんだかとても幸せなきもちになりずっとここで長女と次女といたいと思った。
結局そこには20分ほどいただろうか。気持ちがすっきりとリセットされすがすがしい気分でいっぱいになった。なんだこんなことで人は癒されるのか、と思った。私は今日のこの日のことをずっと覚えていたいけれど出来るだろうか、今までもこんな気持ちになったことはいっぱいあるけれどやはりすっかり忘れてしまっているから。長女も今日のこの散歩のことを覚えていてくれるだろうか。きっと忘れるだろう。でも彼女の心の奥底でも良いから、残っておいてほしい、そんなことを思いながら長女と手をつなぎ公園へ向かった。