大事なもの

昨夜は娘はなんとか9時半前に寝てくれた。たまたまだったのだろうか。
おとつい、もうまったく寝る気配がないので半分本気で半分嘘で寝たふりをした。一応娘にばれないよう薄目を開けて様子をうかがっていた。最初は私が寝たのもおかまいなしに早速寝返りして立ち上がり壁を伝ったり、本やライトで遊ぶ娘。それが何分ほど続いただろうか。次第に私は本当に眠くなってしまい、ついうとうとしてしまった。すると私の頬になにやらあたたかいものが触れた。眼を開けてみるとそこにはこちらを覗き込む娘の顔があった。そして私の顔に自分の頬やら唇やらよだれやら押し付けている。それをみた時私はなんともいえない気持ちになった。こんなことで娘にいらついてしまった自分を責める気持ちと、娘をいとおしむ気持ち。あまりのことに涙が少し出た。そのときどんな気持ちで娘は私の顔を覗き込んでいたのだろう。
たまたま、といえばたまたまかもしれないが時折私と娘の間にはこういうことが起きる。娘が生まれて一ヶ月の頃、すっかり昼夜逆転して、寝付くのは朝8時とか9時という時期があった。その間私は一睡もできなくて本当に参っていた。どうしてこの子は寝ないのだろう、私のやり方が何か間違っているのだろうか、それともなにか病気なのだろうか、とそんなことを考えながら抱っこして何とか寝かしつけようとしていた。しかしそんなふうに頭がまわるときはよいが余裕がなくなると、お恥ずかしい話、この場から逃げたいとか、そういう大変ネガティブな感じにどんどん追い込まれる。すると娘はたいていそういうときにこの上ない笑顔を私に向けるのだ、新生児というのはめったに笑わないのに。その笑顔を見ると嘘のようにさっきまでの暗い考えがざあっと溶けていく。そのたびに娘を産んで本当によかったと思う。
娘が生まれた時、友人が「これからは子どもの笑顔に救われることがいっぱいあるよ」といってくれたがまさにその鳥だと思っている。未熟な私はこれからも救われ続けるのだろう。
・本日の晩御飯:ハヤシライス